「いい商品を作っているのに売れない」
「価格競争を続けていてとても苦しい」
「ストーリーを宣伝に取り入れたいけどイマイチよく分からない」
「どうしても競合に埋もれてしまう」
販売戦略において、上記のような悩みを抱えていませんか?
インターネットが普及した現代では、いい商品(文章)を作って売るという従来のやり方が通用しなくなりました。
新しい戦略としてストーリーマーケティングを取り入れると、市場で注目が集まる仕組みを構築できるはずです。
この記事でストーリーマーケティングの概要とやり方を理解し、今の苦しい状況を一緒に乗り越えていきましょう。
ストーリーマーケティングとは?
ストーリーマーケティングとは、商品やサービスの価値や想いをストーリーで伝える手法です。
ストーリーテリングとも呼ばれています。
従来のマーケティングでは、安さや凄さといった商品の優位性を伝えるのが主な目的でした。
しかし、市場に商品が溢れ情報がすぐに出回るようになった現代では、単純なメリットだけでユーザーは購入してくれません。
ストーリーマーケティングは、溢れた市場のなかでユーザーに新しい購入動機とインパクトを与える方法として効果的です。
成功すれば、おすすめの映画がSNSで拡散されるように、自然と売上やイメージ向上につながります。
ストーリーマーケティングが必要な理由
ストーリーマーケティングが効果的なのは分かっても、あえて取り入れる必要はないと感じているのではないでしょうか。
ですがストーリーは、売上だけでなく、企業の長期的なブランドイメージ定着にもつながります。
これからご紹介するストーリーマーケティングが必要な理由を理解し、積極的に取り入れていきましょう。
商品がコモディティ化している
コモディティ化とは、高い価値を持っていた商品の価値が下落し、一般的な商品になることです。
たとえば、私たちは当たり前のようにスマートフォン(スマホ)を使用しています。
ですが、登場直後のスマホは新しい商品で、高い市場価値がありました。
それから普及が進み、競争が起こると、みんなが当たり前にスマホを持つようになりました。
このような変化がコモディティ化です。
あらゆるものがコモディティ化している現代では、独自の機能や価格で勝ち続けなければ、市場で生き残れません。
しかし、価格競争を続けるだけでは利益にはつながらず、苦しくなるばかりです。
ストーリーは、価格や機能以外の新しい価値を市場に提供できます。
つまり、コモディティ化した市場で有利に戦うには、ストーリーという新しい武器が有効です。
SNSの発達による情報過多
インターネットの発達により、私たちはさまざまな情報へアクセスできるようになりました。
それは便利でありながら、自分たちの競合が増える事態にもつながっています。
そのような状況では、せっかくのいいサービスも市場に埋もれてしまいます。
また、SNSの発達などを通じて消費者のニーズも変化し、ユーザーは商品に意味を求めるようにもなりました。
ユーザーに買う意味を与え、共感してもらうのにストーリーは最適です。
積極的に共感できる内容のストーリーを組み立て、他社との差別化を図りましょう。
実体験として認識し、SNSで拡散される
そもそも、競合他社がさまざまなサービスや商品をPRするなかで、ただ機能面だけを強調していては、ユーザーは見てくれません。
一時期、不格好なソフトクリームを作る屋台のおばあちゃんがSNSで拡散され話題になりました。
不格好でぐちゃぐちゃなソフトクリームは、機能面で優れたものとはとても言えません。
ですが、その不格好さが話題になり、そのソフトクリームを買いに各地からお客さんが訪れたのです。
不格好なソフトクリームのように、必ずしも機能面に優れたものだけが購入されるわけではありません。
このように、ストーリーにはデメリットを強い価値に変換する力を秘めています。
うまくストーリーを取り入れると、そのプロセスのなかで新しい価値が生まれるでしょう。
SIPS理論
ストーリーが有効なメカニズムとして、SIPS理論が挙げられます。
SIPS理論は、SNSに特化した行動理念で、2011年に電通から提唱されました。
- S:共感する
- I:確認する
- P:参加する
- S:共有・拡散する
SIPS理論は上記4つのプロセスから構成され、話題が広がる様子を表しています。
例として、レストランの新メニューが人気になるまでを考えてみましょう。
- S:まず、レストランで新メニューを食べた人や社員がSNSに投稿します。それを見たユーザーは、自分も食べたいと感じます。
- I:次に、ユーザーはレストランやメニューについて調べます。
- P:そして、ユーザーは実際に料理を食べ、その体験をSNSに投稿します。
- S:最後に、SNSが拡散され、新メニューが注目されるようになります。
共感し、その情報を確認したときに自分に関係があると思ってもらえれば、ユーザーは積極的に話題を広げてくれます。
しかし、共感できなければ目にも留まりません。
SIPS理論やストーリーの効果は限定的ではありますが、SNSから話題が生まれる現代では、決して無視できない理論です。
ストーリーマーケティングの事例を2つ紹介!
ストーリーマーケティングの実態を分かりやすく伝えるために、実際の事例を2つご紹介します。
一度はテレビやインターネットで目にした身近な例から、ストーリーマーケティングの概要を掴んでください。
ソフトバンクのお父さん
犬のお父さんで有名なソフトバンクCM「白戸家」。
一度はテレビCMで見たことがあるのではないでしょうか。
白戸家のCMは社会現象にもなり、ソフトバンクの認知度を大きく向上させ、現在まで10年以上放送されているCMです。
白戸家のCMが成果につながったのは、ユーモアなストーリーがあったからでしょう。
なぜお父さんが犬なのか、次のCMではどんな展開が待っているのか…。
気になるストーリーがあったからこそ、本来飛ばされてしまうCMも、あえて見たいという状況につながりました。
競合他社のauが「三太郎」のCMを制作したのも、ソフトバンクのストーリー戦略に影響を受けたからに違いありません。
レッドブルのストーリー
レッドブルも、ストーリーマーケティングをうまく活用している会社です。
CMでは、レッドブルの価格や商品概要を一切説明せず、飲んだあとの変化を物語調に伝えています。
これにより、レッドブルはイメージと具体的な利用シーンの定着に成功しました。
さらに、気合をいれるときや残業時にレッドブルを飲む発想で、エナジードリンク市場を立ち上げたとも言えます。
また、スポーツ選手や団体をスポンサー支援するなどの活動も、レッドブルのイメージ向上につながっているといえるでしょう。
ストーリーが必要な理由のまとめ
ストーリーはライターにとって、2つの側面から重要です。
一つは、文章にストーリーを組み込んでより多くの人に届けること。
2つ目は、自分自身をストーリーに仕立て上げ、多くの仕事を獲得することです。
どちらかだけでいいわけではなく、両方できる必要があります。
この記事でストーリーの重要性について理解できたと思うので、次は作り方とその構成についても理解していきましょう。