「目標に真摯(しんし)に向き合っていますか?」
ビジネスの現場で度々耳にする言葉だ。
目標未達成のときや指定された成果物を納品できなかった場合に、投げかける、もしくは投げかけられるケースが多いだろう。
しかし、私たちは「真摯さ(Integrity)」の意味を正確に理解しているのだろうか。
響きが美しく重みがある言葉が故、なんとなくで使用する場面も少なくない。
この記事では、「真摯さ(Integrity)」を辞書や語源、AIからの回答などを用いて紐解いていく。
辞書が語る「真摯」の意味
手始めに、辞書的な定義を確認しておこう。
『精選版 日本国語大辞典』を開くと、次のように記されている。
【真摯】(しんし)
まじめでひたむきなこと。一所懸命に物事に取り組むこと。また、そのさま。
非常にシンプルだ。「まじめ」「ひたむき」「一所懸命」。
これが真摯さの核となる意味である。
言葉としての歴史を辿ると、明治時代にはすでに使われていたようだ。
徳富蘇峰の『将来之日本』(1886年)や、徳富蘆花の『思出の記』(1900年頃)などにその用例が見られる。
古くから、「沈着な気質」や「忠実で厚い情」を表す言葉として存在していたことがわかる。
現代における「真摯さ」のニュアンス
では、現代の私たちが使う「真摯」には、どのようなニュアンスが含まれているのだろうか。
単に「まじめ」と言うだけなら、「真面目」という言葉で十分なはずだ。
あえて「真摯」と言うとき、そこには特別な響きが宿る。
その現代的な解釈を整理するために、AIへ問いかけてみた結果をそのまま記そう。
私たちが感覚的に捉えている「真摯」の正体が、言語化されている。
【AIの回答】
真摯(しんし)とは、物事や人に向き合う態度が「まじめで、誠実で、真心がこもっている」ことを指す言葉です。軽く扱ったり、ごまかしたりせず、責任を持って取り組む感じが核にあります。
意味(ニュアンス)
・まじめで一生懸命
・誠実で、うそやごまかしがない
・相手や状況を尊重して、丁寧に向き合う
・その場しのぎではなく、責任を引き受ける姿勢
似た言葉との違い(ざっくり)
・誠実:うそをつかない、信頼できる(人柄寄り)
・真剣:本気である、遊びではない(熱量寄り)
・真摯:誠実さ+丁寧さ+責任感(向き合い方寄り)
これが、現代において私たちが「真摯」という言葉に込めている共通認識と言っていいだろう。
単なる「誠実さ」に、「丁寧さ」と「責任感」が加わり、さらにそこから逃げない姿勢。
それが真摯さである。
「真摯さ」の語源はラテン語にあり!

しかし、真摯さであるIntegrityは訳しつつも、日本語での説明が難しい概念だ。
そのため、語源を探ってみようと思う。
Integrityの語源は、ラテン語の「integritas」で、完全無欠のような意味を持つ。
「integritas」は完全や無傷といった意味を持つ「integer」から派生している。
さらに分解してみると、「integer」の「in」は否定、「teger」は触れるといった要素で構成されている。
つまり、触れることができない、否定できない、揺るがないといった意味合いになる。
ここからIntegrityの意味を考えてみると、以下のようになるだろう。
「外から影響を受けず独立し、揺るがないもの」
揺るがないものに関しては、現時点での筆者の想いも含まれているのをご了承いただきたい。
だが、語源から紐解いてみると、ただ誠実という言葉で置き換えられるものではないことがわかるだろう。
次回は「ピーター・ドラッカー」が広めた「真摯さ(Integrity)」を紐解く
この記事では、辞書の定義や語源をもとに「真摯さ(Integrity)」について考えてきた。
しかし、大まかな意味はわかったものの、どこか腑に落ちない方もいると思う。
次回は「ピーター・ドラッカー」が広めた「真摯さ(Integrity)」を紐解き、ビジネスの現場におけるニュアンスを探っていく。
Integrityを理解すれば、一生の判断軸を得られるため、次回もぜひ読んでほしい。
